2020年7月11日 20:00
『攻殻機動隊』最新作の“新キャラ”誕生秘話 監督2人が明かす
つくっているというより探している感覚。その物語を可視化するためのアイデア出しも、設計図に起こすのも、予算の中でCGを依頼するのも、死ぬほど大変です。
荒牧:脚本で固めたつもりでも、モーションアクターさんに演じてもらうと気づくことがあります。いろいろな段階で行ったり来たりを繰り返しているので…どの作業も大変ですね。
素子の魅力は完璧さ。それゆえに描きづらさも…。
――監督お二人から見て、草薙素子にどんな魅力を感じますか?
神山:あれだけ屈強な男たちを束ねるリーダーシップや行動力。それでいて人間味や思いやりのある人。
その完璧さですかね。描いていておもしろい。普通、隊長というのは成長を描くのが難しく、おもしろみに欠けるから、物語の主人公になりづらい。でも映画『プレデター』で隊長役のシュワちゃんを観て、素晴らしい主人公が登場した!と思った。それが影響しているのかもしれません。
荒牧:全身義体の女性という特殊性と自分の信念を持っている安定感。とても魅力的だけど、物語をつくる上では大変です。完璧ゆえに失敗させられない。
失敗しても、先を見据えての失敗というか。それが動かしづらくて…。なので、今作では新人のキャラクターである(江崎)