2020年7月12日 19:00
『攻殻機動隊』最新作で主役声優が「キャスティングされない」と思っていた理由
一番年下で至らない点も多かった中、いつもフォローしてくださって。仲間からの愛、というのは大げさかもしれないですけど…(笑)」
初めは、全身義体で謎の多い女性を演じることへ、迷いや気負いがあった、と田中さんは当時を振り返る。一生懸命演じなければと必死だったとも。しかし、25年の月日を経て、徐々に素子との溝が埋まってきたよう。
「『STAND ALONE COMPLEX』も『イノセンス』も、キャストのオーディションをしています。だけど、毎回素子は私のところに戻ってきてくれました」
今作の制作決定が発表された時点でも、キャストの発表は行われていなかった。イリヤ・クブシノブさんの描く新しい素子を見た時、「私はキャスティングされないと思った」と田中さんは話す。
「若々しくて、可愛らしくて、エネルギッシュさを持つ、新しい素子だなという印象を受けました。
大塚明夫さん(バトー)、山寺宏一さん(トグサ)と3人で、私たちはキャスティングされないだろうね、と話していたことも」
ところが、『攻殻機動隊 SAC_2045』でも素子は田中さんの元へ戻ってきた。「私に、演じてよ、と言ってくれているような気がします。