2020年8月18日 19:00
現役大学生作家が新人賞! ネットに投稿重ね…小説『晴れ、時々くらげを呼ぶ』
小説現代長編新人賞受賞作『晴れ、時々くらげを呼ぶ』の作者・鯨井あめさんに、作品に込めた思いを聞きました。
クラゲは空から降ってくるのか?現役大学生による驚きのデビュー作。
高校2年生の越前亨(えちぜんとおる)は、作家だった父を病気で亡くしてから心を閉ざしている。彼が図書委員として一緒になった後輩の小崎優子(こさきゆこ)は、毎日、屋上で雨乞いならぬクラゲ乞いをしている――小説現代長編新人賞受賞作『晴れ、時々くらげを呼ぶ』で作家デビューを果たした鯨井あめさんは現役大学生。執筆歴は実に11年!
「好きな小説の真似をして書くことから始めて、5年ほど前からネットに投稿していましたが、去年、一回全力で書いたもので挑戦してみようと思って新人賞に応募しました」
その作品で見事受賞したわけだ。本作の出発点は、クラゲが降る様子が頭に浮かんだこと。もちろん、クラゲは空から降るものではない。
「小崎も最初は“不思議ちゃん”と呼ばれています。
ということは、作中のどこかで“不思議ちゃん”じゃなくなる瞬間がくる。その瞬間を書きたいと思ったのを今でも覚えています。誰かが変わる瞬間って、ちょっとわくわくするんです」