2020年8月28日 20:10
村上虹郎「寄り添って一緒に歩けたら」 芋生悠との共演を振り返る
ストーリー自体は仕掛けはあるけれども、どんでん返しがあるサスペンスではない。じゃあ、何を観るかっていうと、作家性やキャラクターや、そこに映ってるもの全部。そこに観てくれる人たちの想像力をちょっとお借りしないといけない。僕もそういう映画が大好きですけど、集中力は必要ですよね。
芋生:撮影はドキュメンタリータッチと言われていたんですけど、わりと映画的だなって途中で感じてた。
村上:二人の感情を影で見せたりとか、ギミックを使うシーンも印象的で、外山さんの新たな一面を知った感じ。“ザ・ソワレ”という幻想的なシーンでは、美術さんをはじめみんなの気合がひときわすごかった。
芋生:ソワレはフランス語で「夜会」とか「夜明け前まで」の意味ですよね。
でも、このタイトルには、景色も変わらないような暗い道をずっと歩いてきた子たちが、誰かがそばにいることや自分の足でちゃんと歩けるようになることで、景色が変わるというか、違う明日を迎えることができるという意味があるのかなって。今、大変な時代だからこそ、光を見つけられた子たちに勇気づけられる映画になった気がする。
村上:確かに俺自身も面白い映画に出合うと、観ながら、俺だったらどうだろうって考える。