くらし情報『自伝的要素も…万城目学の新作は「東京らしき街」「夢」「希望」と意外がいっぱい?』

2016年4月3日 15:00

自伝的要素も…万城目学の新作は「東京らしき街」「夢」「希望」と意外がいっぱい?

小さな雑居ビルの管理人をしながら小説家を目指す<俺>は、ある日ビル内の階段で黒ずくめの女を見かけて…。テナントビルの中で広がる奇妙奇天烈な世界。KADOKAWA1600円

いつも日常のなかに非日常が紛れ込む荒唐無稽な世界観で読者を楽しませてくれる万城目学さん。作家生活10周年の記念的作品となる新作『バベル九朔』は、自伝的要素と新しい試みが盛り込まれ、万城目節大炸裂の長編だ。

主人公の九朔満大は小説家を目指すため会社を辞め、母親が祖父から受け継いだ雑居ビル<バベル九朔>の最上階である5階に移り住み、管理人業務をこなしながら執筆&投稿生活をスタートさせる。実はこの設定、万城目さん本人とほぼ同じ。

「僕も会社を辞めて親戚が持っていた東京の雑居ビルの管理人になって、廊下を掃除したりしながら新人賞に応募していました。前に一度その体験をもとに短編を書いています」

その短編はほぼそのまま本作の第一章に使われており、九朔とテナントの人たちとの交流などを描いたものだ。


ある日、その続きを考えた時、万城目さんの頭の中で壮大な異世界が広がっていった。

「主人公の名前はたまたま九朔にしたんですが、2階の居酒屋の店長は双見さん、4階の探偵事務所の探偵は四条さんなどと階数とテナントの人の名前を連動させたのに、5階の管理人の名前が九朔くんというのはおかしいな、と思って。彼は本当はもっと高いところにいるんじゃないかと想像していったんです」

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