くらし情報『宮沢氷魚「いま上演する意味がすごくある」 戦場が舞台のふたり芝居に挑む』

2020年9月20日 19:30

宮沢氷魚「いま上演する意味がすごくある」 戦場が舞台のふたり芝居に挑む

出演者はたったふたり。主人公と同じように塹壕にひとり残った敵方の兵士を、2度の共演経験のある大鶴佐助さんが演じる。

「佐助くんは言葉をものすごく大事にする役者さん。セリフのひとつひとつに、書かれている理由があって、それをしっかりと意識して発しているのがわかります。毎日稽古場ですばらしい芝居を届けてくれるので、それにすごく刺激を受けています」

ふたり芝居というハードル以外にも今回は、「これまでとはちょっと違う不安と戦っている」とも。

「装置や小道具が最低限しかなくて、舞台上には僕らだけ。間違いなく、自分の身体なり、言葉や佇まいで劇場の空間を埋める表現が大事になってくる。物語はいきなり戦争の最中から始まるんですが、その緊迫した精神状態とか切迫感とか、家で脚本を読んでいると近づけているように思っていても、稽古場に来ると全然足りていないのがわかるんです。
自分の頭の中だけでは、太刀打ちできない世界なんですよね。セリフ自体は簡単な言葉ですが、だからこそ、気持ちをきちんとのせないと薄っぺらく聞こえてしまうんです。言葉をちゃんと自分のものにして、稽古場で生まれる全部を体で感じながら、セリフを発していくことを大事にしたいと思っています」

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