2020年9月23日 19:40
鞘師里保、休業からカムバック! 「挑戦できる場所があるなら…」
そしたら末満さんが、リリーを演じて見せてくださり、私がそれを反復する稽古をしていただきました。その時、これまで自分にはなかった動きや声のトーンが体の中に入っていく感覚がありました。また歌に関しても、それまでずっと何か引っ掛かるものがあって越えられずにいたものが、この公演中に抜けた感じがあって。吸収することの多い時間だったんです」
『LILIUM』でリリーは、望んでいない永遠の命を手にしたことを知る。今回の『黒世界』は、その後の彼女が、さまざまな時代にさまざまな人と出会うなかで起きる各6つの短編からなる2章の物語で構成。
「このシリーズの作品はほとんど観ているのですが、全部面白いんです。悲劇が多いし、残酷な場面もあるけれど、描かれているのは友人や家族愛だったりして、物語が儚くて美しくて切ない。登場人物に自分を重ねて考えさせられることも多いです」
5年前、第一線で活躍しながら、あっさりとその場所を去り、留学を決めた。
当時のことを聞いてみた。
「当時17歳で、自分のこの先の未来を考えるようになっていたんです。でも、その時の自分には落ち着いてそのことについて考えられる時間がなさすぎたんですよね。