2020年9月30日 19:10
平野紗季子「修行させてください!」 有名ジャーナリストに弟子入り志願の過去
まったく面識もないばななさんが、この本をどこかで見かけて購入し、読んでくださったそうで。そのように、思いがけない方の目に触れるっていうのは、本ならではの喜びだと思います。
――平野さんが“食日記”をつけ始めたきっかけは?
当時福岡から一家4人で東京に引っ越してきまして、“おのぼりグルメ”的に、父が気になるレストランに家族で週末に出かける時間がすごく好きだったんです。レストランのドアを開けると素敵な空間が広がっていて、みんな笑顔で楽しく会話をしながら、今まで味わったこともない美味しいものを食べる。うちの両親はものすごく仲が良かったわけでもないんですが、レストランで食事をするときは、すごく穏やかになるんです(笑)。本当にレストランは、夢のような場所だった。でも家に帰って、寝て、翌朝起きたら、昨日の夜の素晴らしい感動は何一つ形として残ってなくて、しかもお腹もすいている。それでどうにかしてこの感動を残したいと思って、食日記を書き始めました。
その後、ブログなど形を変えながら、中学、高校とつながっていき、大学生のときに書いていたブログを見た編集の方から、「本にしませんか?」とお声がけをいただき、1冊目の本につながりました。