2020年10月2日 19:30
世界がTikTokを恐れる理由 中国当局の“デジタル通貨”構想
すると、中国系のアプリサービスや通貨を使用しなければ、世界の商売に参画できなくなる可能性も出てきます。アメリカやEU諸国は、そうして世界の貿易地図が中国に塗り替えられることを最も恐れています。
日本や欧米諸国からすればそんな中国は脅威ですが、世界に照らしてみれば、中国に親和性のある国のほうが多数。一帯一路構想が広がり、東南アジアやアフリカ、東欧、中欧諸国などは、経済的に強く結びついている中国との共存共栄を望んでいるのです。
独自のITインフラを持っていない日本は、すでにアメリカ系のインフラを使用しています。EUも独自のインフラはありませんが、自衛のために、個人情報を企業に握らせないルールづくりを徹底し、制裁金を課すなどのプレッシャーをかけています。日本政府は国民に何のリスクも知らせないまま、行政までもが海外のプラットフォームを使っています。これは、危機感が少し足りないのではないでしょうか。
自国の商売や国民の情報を守るのが国の役割。それができないのなら、自衛の策を直ちに打つべきだと思います。
堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」