2020年10月14日 19:40
突拍子もなく絶妙! 高山羽根子・芥川賞受賞後の第一作は壮大な“偽史”小説
簡単に映像が加工できるようになった今、私たちはそれらにどう接していくか、ということはよく考えます。私自身、書いているのはフィクションですが、人が生活している場所を舞台に小説を書く以上、なんらかの倫理的な物差しを持っておく必要があるなと感じます。その物差しは時代によって変わっていく。ちょっとずつ更新しながら、自分の物差しを信じていくしかないなと思っています」
最後数ページでは熱いものがこみ上げる。極上の偽史をご堪能あれ。
『暗闇にレンズ』レンズをのぞいて世界を切り取る〈わたし〉。彼女の母、祖母、曾祖母もかつて映像に関わっていた。映画と映像をめぐる奇妙で壮大な物語。
東京創元社1700円
たかやま・はねこ1975年生まれ。2010年に「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞の佳作に選出され、’14年、同作を表題とした短編集を刊行。今年「首里の馬」で芥川賞受賞。
※『anan』2020年10月21日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世
(by anan編集部)
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