2020年10月21日 20:40
誹謗中傷を乗り越えたナチス兵が敵国で英雄に…奇跡を起こした男の実話
デヴィッドさんキャラクターとして、成長していくところをいかに見せるのか、というところがひとつの挑戦でした。もちろん、リアリティに寄り添ってはいきたいけれど、当然ドラマ的に作っているところもありましたから。
たとえばマーガレットのために、いきなり試合中に踊り出すところとか、あれは本当にあったわけではないですよ(笑)。そんなふうにバランスをとりながら、いかにキャラクターの真実に迫れるか、というところがひとつのチャレンジではありました。
あと、短い時間しか映し出されていませんが、しっかりと見せたいと思ったのは、ヒトラーユーゲントの一員となり、兵士に志願して戦争に赴いたときの彼の姿。その後、彼が自身の抱えるトラウマとどのように向き合ったのか。個人としても、国としても大きな罪悪感や葛藤を抱えているなかで、つねにそれが彼の脳裏にあり続けていましたから。楽しい瞬間でさえも、どこかそれが脳裏にあるということを感じさせることは苦労したところでもありました。
偏見を持たずに個人を見ることの大切さを学んだ
―そんな彼の生き方から、現代の私たちが学ぶべきところがあるとすれば、どんなことだと思いますか?
デヴィッドさんまず、「スポーツにはすごい力がある」