意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ベラルーシ情勢」です。
自由主義諸国vsロシア&独裁国家の対立が如実に。
8月の大統領選挙で6期目の当選を果たしたベラルーシのルカシェンコ大統領。ネットの世論調査では支持率が3%だったにもかかわらず、80%の票を得たため、不正選挙だと市民が抗議。暴力的な制圧がなされ、直後には6000人の市民が拘束され、拷問を受けた人もいました。デモは最大時には10万人以上が参加、2か月以上たった今も、辞任を求めるデモは続いています。
ベラルーシはロシアとEU諸国双方に隣接する旧ソビエト連邦の国で、「欧州最後の独裁国家」と呼ばれています。
ソ連崩壊に伴う独立後、1994年にルカシェンコ政権が発足。民主的な国の誕生と、国民の期待を背負って生まれたのですが、長期政権のうちに腐敗し独裁化が進行。不正選挙が繰り返されました。経済成長に問題があり、市民の政治参加に制約がかかっていたところに、今年、大統領が「ウォッカやサウナが効く」などと新型コロナを軽視したため感染者が増え、国民の不信感はさらに募りました。