2020年11月24日 19:30
「すごい日本人」デザイナー・石岡瑛子の大規模回顧展 その哲学とは?
アートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる分野で新しい時代を切り開きつつ世界を股にかけ活躍した石岡瑛子。彼女の世界初となる大規模回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が開催される。
1992年公開のハリウッド映画『ドラキュラ』の衣装を手がけアカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当。マイルス・デイビスやビョークら、世界の一流アーティストたちから愛された彼女の仕事と人生を総覧する内容だ。
彼女の才能は、資生堂に入社し1年目ですぐに開花する。社会現象となったサマー・キャンペーンポスターをはじめ、独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告で快進撃を続けた。拠点をNYに移した’80年代以降は映画やオペラ、サーカス、演劇、PVなど様々な分野でその才能を遺憾なく発揮し続けた。
その活躍を支えたのはデザインを生み出すまでの徹底した調査や、たった1ミリという細部にまでこだわる姿勢。完璧主義を貫く彼女の制作現場は常に緊張の糸が張りつめ、刃物のような立ち振る舞いだと彼女を揶揄する者もいた。そんな声を意に介さず「デザインはタイムレスでなければ。何十年後かに見た時、古くてはならない」