2020年11月21日 20:00
オバちゃん役も楽しく 元宝塚トップスター・瀬奈じゅん「年の功なのかな」
幸福論。妙にドキッとさせられる題名のこの舞台、現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」よりは、能の『隅田川』と『道成寺』から着想を得て書き下ろされた2本の現代劇からなる作品。
「元宝塚トップスターという肩書からか、お金持ちや元女優の役をいただくことが多いんですね。でも私は、そのイメージを崩すというか塗り替えていきたいと思っているんです。いまの自分は、ヒロインっていう年齢でもなければ、誰かのお母さんというにも中途半端。でもこの年齢だからこそ演じられる役もあるんだって、いますごく感じているんです」
「隅田川」で瀬奈じゅんさんが演じるのはカウンセラー。
「この舞台のお話をいただいた時、演出の瀬戸山(美咲)さんが当て書きでやりたいとおっしゃられたんです。正直、最初は悩みました。
演じるのが嫌なわけではなく、観る方に役の中の人物ではなく“私”として見えてしまうとしたら、それは役者としてどうなんだろうっていうのが気がかりで。でもそれを家族に話したら、『あなただから伝えられることもあるんじゃない?』って言われて。実際、完成した台本は私の経験も含め女性たちの思いをリアルに描いてくださっていて、何の疑いも躊躇もなく取り組めています」