2020年12月10日 19:40
暴力的な夫から幼子を連れて逃げた先に…被害女性が決意したこと
そして、私からすると、タイムレスな信頼関係を持てる人物でもあります。
いま必要なのは他人に耳をかたむけること
―また、本作では家庭内のDVや貧困、ハラスメントといった現代社会にある問題を描いています。こういったテーマにしようと思ったのはなぜですか?
監督特に何かきっかけがあったわけではありませんが、普段外に出るとふとしたときにそういう問題を抱えている女性を見かけることがあります。私自身は、彼女たちに直接手を差し伸べることができるタイプではありません。ただ、つねにいろいろなことに対して目を向けるようにはしているので、よりよい世界を作れたらいいなという思いでこの物語を提示しています。
―人生は他人との関わりや優しさによって大きく動いていくものだと改めて感じましたが、監督ご自身も他人に救われた経験がありますか?
監督一番近い経験を挙げるとすれば、病院に行ったときに自分の状況を理解して、助けてくれるアリスのような人に出会って感銘を受けたことですね。なぜなら、彼らは自分自身に対する執着よりも他人を助けることに力を注いでいるからです。
それはコロナ禍でも顕著になっていると思いますが、医療関係者のみなさんはたとえお金がたくさん稼げなかったとしても、こういう状況に身を投じることができる人たちなんだと思います。