2020年12月17日 21:00
ホロコーストを生き延びた男と少女…スキャンダラスな関係が生んだ希望
―そのなかで、監督として手ごたえを感じる瞬間もありましたか?
監督今回の撮影期間は、19日間と非常に短かったですが、俳優たちの演技も相性もセリフもとてもよかったので、そのときに「これはいいものになるだろう」という確信を持つことができたように思います。それだけでなく、カメラマンも音楽もすべて素晴らしかったので、ひとつずつ形になっていくのを見守っていくような感じでした。だから僕自身としては、自分の選択に迷いがなかったというのが正直な気持ちですね。
その後、実際に完成した映画を観てもらったときに、俳優たちの演技や映像、音楽といったすべてが合わさることで彼女も理解してくれました。つまり、小説と脚本はずいぶん違うものなんだ、ということを。
ちなみに、彼女から「映画が完成して、もし気に入らなかったら、私のクレジットを入れずに、キャラクターの名前も変えてね」と言われたこともありました。でも、「撮影したあとにどうやって名前を変えたらいいんだろう?そんなことは不可能じゃないの?」と思っていたので、ハッピーエンドを迎えられてよかったです。いまでは友達になりました(笑)。
時代は違っても、心理的に通じる部分があった
―それは何よりです。