2020年12月17日 21:00
ホロコーストを生き延びた男と少女…スキャンダラスな関係が生んだ希望
たとえば、僕は映画や音楽、本といった芸術に対して、まるで自分の子どものような愛を強く感じることがあります。以前、日本に関係するニュースで孤独を解消するためにロボットを使っているというような内容の話を見たことがありますが、それでもいいと思っているんです。
―つまり、自分以外に愛情を注げるものを見つけることが大事ということですね。
監督そうですね。以前、スパイク・ ジョーンズ監督の映画『her 世界でひとつの彼女』にもありましたが、コンピューターに愛情を感じることも美しいと僕は考えています。“新しい種類の愛”とさえ言えるのではないでしょうか。僕はそれをジャッジしたり、笑ったりするつもりはありません。そんなふうに何かに対してそういう思いを持てるということ自体が大事だと思っているからです。
ちなみに、当初この映画のタイトルは別のものを考えていて、「誰かのために生きる」といった意味のあるものにしようかと考えていたほど。それこそが生き残るための方法のひとつなのです。
―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。
監督映画にすべての思いを込めているので、観ていただければわかると思いますが、それが文化や国を超えてみなさんに響くといいなと思っています。