2021年1月2日 20:00
香港、タイ、ベラルーシでも…コロナで加速、深まる民主主義の危機
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2020年の民主主義」です。
民主主義の危機が深まった2020年。国連の変革を求む。
2020年は民主主義が問われた一年でした。香港の民主主義は失われ、一国二制度は実質、消えてしまいました。ベラルーシでは独裁政権を倒そうとデモが続いていますし、タイでは’16年に即位した新国王がスキャンダルにまみれ、経済も悪化しており、若い世代を中心に憲法改正や王室改革を訴えて大規模なデモが始まりました。スーダンでは市民革命が成功し、新たな和平を生み出そうとしています。
レバノンやパレスチナ、ヨルダンでも、強権的な政治に対して、市民の生活が立ちゆかなくなり、連日、反政府運動が行われています。これらは思想の運動ではなく、市民の「生きるための戦い」。やむにやまれぬ状況に追い込まれて声を上げています。新型コロナウイルスによって経済状況が悪化し、これらの動きは加速しました。この流れは、経済の仕組みが変わらない限りなくならないのだろうと思います。
つまり、民主主義と資本主義の相性が悪いということがわかってきたんですね。