2021年1月8日 20:40
天才犬が主人公のマンガ『横須賀こずえ』 ちょっと奇妙で心温まる!
僕の場合、ネームの段階ではほとんどセリフだけ決めていく感じで、コマ割りも状況も曖昧なんです。そのせいで他の多くのマンガ家さんのように、『ネームができたから山を越えたぞ』という気持ちにはなれず、毎回四苦八苦です」
3巻では、なぜ「こずえ」という犬らしからぬ命名がなされたのか、の秘密が明かされる。
「これも知人から聞いたエピソードがやけに記憶に残っていて。それを少しアレンジしたお話です」
横須賀という具体的な土地をベースに描かれるのも、小田さんのこれまでの作品にはなかった魅力だ。
「架空の街にすることも考えたのですが、『~ともお』と差別化したい気持ちもあって、縛りを入れました。取材も兼ねて街を歩くと、『なんだこれは!』と思う名所や建物などを見つけたりして楽しいですね」
こずえは1巻で、潮の匂いを懐かしみ、おぼろげな記憶の中で、〈手〉の存在を思い出す。彼女は以前どこにいたのか。手は誰のものなのか。
いくつかのナゾは残ったままだ。
「4巻で明かすつもりなので、いま懸命に考えている最中です」
という宣言も!来年春頃発売予定の続刊を、楽しみに待ちたい。
『横須賀こずえ』3繁茂するゴーヤカーテン、小学生男子の冒険、ゴメスやニッキなどご近所犬さんたちと始めた犬の学校など、奇妙なのにほのぼのしてしまう小田扉ワールドが全開。