2021年2月10日 20:00
「人生で愛以上に重要なものはない」フランスの鬼才が語る実体験
本作は自身の小説を原作に、初の長編実写映画に挑んでいます。そこで、作品を通して伝えたい思いや愛とは何かについて語っていただきました。
―ガスパール役のニコラ・デュヴォシェルさんは、ガスパールには監督が投影されていると感じ、2か月間ずっと監督を観察して役作りをしたそうですね。ご自身でも、そのような意識はありましたか?
監督確かにガスパールは、ほとんど私だと思います。なぜなら、彼が感じていたことは、自分も感じていたことで、分身のようなところがありましたから。ある意味で、自伝的な映画になったと言えるかもしれません。いつもは、自分から遠く離れた人物を作るほうが好きなんですけどね。
ただ、彼のほうが私より悪いところもあれば、私より強いところもあるとは感じています。
まず、私よりもよくない点は、恋愛に対して極端な考えを持っているところ。私自身も過去には恋に苦しんだことがありましたが、彼のように愛をまったく感じられないところまではいってませんでしたからね。
そして、ガスパールが私よりも強いと思うところは、彼には勇気があるところ。この物語は3日間のお話ですが、彼は短い時間で自分の心を開き、ふたたび感情を取り戻すことができたのです。