2021年2月10日 20:00
「人生で愛以上に重要なものはない」フランスの鬼才が語る実体験
すべての燃料になるのが愛
―実際に、ご自身の経験も反映されているところはありますか?
監督これはすごくおもしろいことなんですが、実はこの本を書き終わってから私はガスパールと同じ経験をしました。それは、ある女性と出会ったときのこと。私はガスパールと同じように、3日間で彼女に心を開いてしまったんですよ(笑)。なので、私の人生哲学は彼と同じになったと言えるかもしれませんね。その素晴らしい女性とは、いま一緒に暮らしています。
―自分が書いた物語が現実になるとはすごいですね。劇中では「愛とは燃料だ」というセリフがありましたが、監督にとっての愛とは何ですか?
監督いまの質問をひっくり返してお答えしますが、「すべての燃料になるのが愛だ」と言いたいと思います。それが私の基本です。
たとえば、病気になったときや何かを失ったときにも、抵抗する力をもたらしてくれるのは愛ですし、愛があるからこそいまを強く感じることができるとも思っています。つまり、すべての源に愛があるのです。
それは、一種の宗教のようなものと言えるかもしれません。宗教であれば神を信じるものですが、私は愛を信じています。これは恋愛においてだけでなく、親子や友人に対する愛も含まれていますが、自分を豊かにしてくれる愛が重要なのです。