2021年2月18日 19:30
「体に電気が走るよう」話題の監督が圧倒された“病の少女と不良青年の恋”
―監督にとって、ミラとモーゼスの関係性はどのように見えましたか?
監督2人はとても不思議な関係性だと思いました。プラトニックのようでありながら、すごく性的なエネルギーを感じさせ、さらにそれ以上にお互いを求めあっているようなところがありましたから。ミラにとっては、自分の心が一番落ち込んだときに寄り添ってくれる人が必要であり、モーゼスにとってはほかの人とは違う視線で自分を見てくれる人が必要だったんじゃないかなと思います。
失うものがないからこその自由はすばらしい
―脚本のリタさんは、「失うものが何もなくなったとき、どんなふうに感じるか?」という大きな問いからこの作品が生まれたとおっしゃっています。監督自身もこの作品を通じて、そういったことを考えさせられましたか?
監督ある状況下において、自分がどんなふうに振る舞うかは誰にも予測できないものだと思っています。だからこそ、キャラクターたちがそれぞれの状況に置かれたときにどんなふうに反応するのかを掘り下げていく作業は、非常に楽しかったです。
この物語には、依存症という大きなテーマも取り上げていますが、そこに関してキャラクターを厳しく裁くことなく、困難を乗り越え、うまく向き合うために薬の力を借りてしまう人と依存症の関係性を描きました。