2021年3月9日 21:00
天才少女と凡才男性の同棲…「能力格差が生む」悲惨な現実『クイーンズ・ギャンビット』第5話
ついアドバイスをしてしまう。
「君はすぐカッとなって周りが見えなくなる」
「怒りは武器よ」
「怒りは香辛料だ。使いすぎると感覚が鈍る」
いや、いいことを言ってるのだ。だが、うまくない。「くそ、何をやってるんだ」と帰りの車でベルティックは後悔に苛まれる(エンジンをかけ損ねたタイミングに重ねる演出の妙!)。
次の日もやってしまう。
「(ボルコフは)州チャンピオンとは違う。世界チャンピオンだ。
10歳の彼にも勝てないさ」
トイレに入ったベルティックは自分の言ったことを「最悪だな」と後悔する。自分より強いベスに、アドバイスし、教訓めいたことを言う滑稽。しかも「州チャンピオンとは違う」と自分のことを卑下してしまう。
ベスは奔放だ。服を一枚脱いで、ラジオのボリュームをあげて踊っている。「もう夏よね」。曲はペギー・リーの「feaver」。「あなたが腕を私に回すと、我慢できなく燃えてしまう」という歌だ。
チェスボードの前に座り「来る?」と誘う。セクシャルな誘いだと受け止めていいようなシチュエーション。だが、ベルティックは、暗い顔をして帰る。
才能の格差が恋愛を阻む
ベスとベルティックは同棲することになるのだが、うまくいかない。