2021年3月25日 18:10
“陰キャ”と“陽キャ”は似た者同士? ヘタレ男子学生を描く『スポットライト』
反対に陽キャといわれる人も、実は陰キャっぽいところがあると思うので、その辺りを意識して描いてます」
斎藤を無邪気に振り回すのが、あやめと予備校が一緒だった逸崎元貴。ミスコン開催の夢を以前から持っていた元貴は、学園祭の実行委員として奔走。弱みを握ったのをいいことに、斎藤をミスコンのカメラマンに任命する。戦略的で自己評価の高いミスコン候補者の圧に斎藤は疲弊するものの、自分好きという根っこの部分は同じだったりして、陰キャ、陽キャでは単純に線引きできない人物像が浮かび上がってくる。さらに斎藤が表面的にしか評価していなかったあやめの素顔が、距離が近づくにつれて見えてくるのも生々しい。
「どのキャラクターも自分が想像できる範囲内だと面白くはならなくて。考えすぎず、想像を超えていく塩梅を探りながら描いています。それってどうやるんだよ!?って感じですけど(笑)。
とりあえず今の斎藤くんは友だちになりたくないタイプなので、なってもいいかなと思えるくらいにはちゃんとしてあげたいです」
友だちになれるかどうかはさておき、自分のなかにもいる“ヘタレ斎藤”をなんとかしてやりたい!と前のめりになってしまう作品だ。