くらし情報『平穏な住宅地に脱獄犯が! “ナイトスクープ”のエピソードも入れた津村記久子の新作』

2021年4月20日 18:40

平穏な住宅地に脱獄犯が! “ナイトスクープ”のエピソードも入れた津村記久子の新作

10軒の一軒家が並ぶ袋小路。普段は平穏なこの住宅地だが、女性横領犯が刑務所を脱走、この地域に向かっているというニュースが流れ、住民たちはそれぞれの思いを抱く。津村記久子さんの新作『つまらない住宅地のすべての家』は、そこから始まる人間模様を巧みな筆さばきで描き出す長編小説だ。

静かな住宅地に起きたさざなみ。隣人の顔が見えてくる群像劇。
平穏な住宅地に脱獄犯が! “ナイトスクープ”のエピソードも入れた津村記久子の新作


「テレビで容疑者の逃亡事件がニュース速報で流れるたびに、犯人が逃げている方面に住んでいる人たちってどんな気持ちだろうって必ず想像するんです」

もうひとつのきっかけは大好きな作家、マーガレット・ミラーのミステリー『まるで天使のような』。

「私立探偵が人捜しを依頼される話ですが、銀行の金を横領して捕まったアルバータという女性が出てくるんです。重要ですが登場シーンは少ない人物で、もっとこの人のことを読みたいと思っていました」

本作の脱獄犯・日置はこの地域出身で、住民の中には元同級生もいる。住民たちは彼女が逃げ込んでくるに違いないと判断、交代で見張りを立てることに。

10世帯それぞれの人物造形が秀逸。登場人物は多いが、ステレオタイプが一人もいない。不穏な人間もいて、幼い少女を誘拐しようと企む男や、言うことを聞かない息子を閉じ込めようとしている両親もいる。

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