2021年5月15日 18:40
日本は認識が甘すぎる? 加速する「データ安全保障」を考える
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「データ安全保障」です。
大事な国民の情報。外資の民間企業に預けて大丈夫?
3月、LINEがシステム開発を中国の関連会社に委託しており、現地スタッフが個人情報にアクセスできる状態だったことが判明し、問題になりました。総務省内ではLINEの使用は禁止され、自治体や行政機関は一時サービスを停止する事態に陥りました。
個人情報が漏洩したのではなく、スタッフがアクセス可能だったというだけで大騒ぎになったのは、相手が中国だったからです。自由と民主の価値観を共有できる、法のもとに平等な国ではないため、危機感を抱いたのです。しかし、私たちは普段、AmazonやGoogleにも個人情報を差し出しています。
相手がアメリカならば安全と言い切れるのでしょうか?
いま、公的機関が私たちのデータを、民間のデータセンターのサーバーに預けるということが加速しています。Amazonは公共部門のグローバル展開に力を入れており、日本政府は昨年、政府共通プラットフォームをAmazonのクラウド・コンピューターサービス「Amazon Web Service(AWS)」