2021年5月14日 19:30
衝撃! 人気歌手がスパイだった事実を告白…時代に翻弄された男性の真実
アンドレアス・ドレーゼン監督
見事な手腕を発揮し、高く評価されている東ドイツ出身のドレーゼン監督。今回は、長い時間をかけて制作された本作の完成までの道のりやグンダーマンの魅力について語っていただきました。
―本作は10年もの時間をかけて作り上げたそうですが、そこまでの過程について教えていただけますか?
監督まず一番時間がかかったのは、脚本を仕上げることでした。40数年という短い人生を送った人物とはいえ、ひとりの人間がたどった生きざまをたった2時間の映画にまとめるのはやはり大変なことですからね。
今回の脚本を書いてくれたライラ・シュティーラーは、生前のグンダーマンを知っている人、特に妻のコニーと何度も会って話をしながら、どういう物語にするかを考えてくれました。彼が送った壮大な人生のドラマをうまくまとめるためには、それくらい時間を費やしていい脚本にする必要があったのです。もうひとつ時間がかかったのは、資金集めでした。というのも、助成金に関わる公的機関で委員を務めている人たちは、西ドイツ出身の人が多く、脚本を出した際には「こんな話がおもしろい映画になるとは思えない」と言われたりしたこともあったくらいですから(笑)。