くらし情報『皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集』

2021年5月30日 21:40

皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集

松田青子さんの新作『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』は掌編&短編が詰まった一冊。

「ばらばらの時期に書いたものですが、読み返してみたら、無意識のうちに同じテーマ性を持ってたんだなと思いました」
皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集


そのテーマ性とは、裏表紙の帯にもある“わたしたちは、会ったことはなくとも、つながっている”。

「女性同士の関係が描かれるフィクションはドロドロしたものになるかアッパーの方向に行くものが多かった気がします。そうではなく、社会に存在しているだけでみんな緩く繋がっていること、その緩い繋がりのグラデーションを書きたかったんだなって気づきました」

確かに、過去に出会った女性の声が聞こえてくる「天使と電子」や、就職試験で同席した女性たちのその後を描く「クレペリン検査はクレペリン検査の夢を見る」、アルバイト先にいた女性を思い出す「桑原さんの赤色」、世代の異なる女性が交流する「向かい合わせの二つの部屋」などは、女性たちの繋がりを感じさせる。

「特に親しくしていなくても“こういう人がいたな”と記憶に残ることはあるし、その時は繋がれなくても、その後に違う形で繋がり直すことはあると思うんです」

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