2021年6月14日 21:10
伊藤沙莉「絶対にできないってビクビクしていた」 ダークファンタジー舞台に挑戦
すっきりと終わる話ばかりじゃなく、現実を突きつける展開も多いけれど、視点に温かみを感じますし、些細なところを掬い上げること自体が優しいですよね。どんなにカラッとしている人にも何かしら背負っているものはあるし、何も考えていないわけじゃない。そういう想像力を持てないのって、すごく怖いことだと思うんです。それを蓬莱さんの作品はちゃんと教えてくれるから好きですし、そんな蓬莱さんから生まれた言葉を自分の口から出せることが嬉しいです」
タイトルの“愚かな女”が、伊藤さんの役。“首切り王子”と呼ばれる傍若無人の王子が、死を恐れない彼女と出会い、召使いにするところから始まるダークファンタジーだ。
「ファンタジーに自分があまり触れてこなかったので、絶対にできないってビクビクしていたんです。でも、描かれているのは、人間味のある人たちのリアルな物語で。むしろ、とある国のとある時代の話になっているぶん、制限がなく広い視野で見せられるのかなという印象です。
現代劇だったらヒリヒリするようなこともファンタジーにすることで、考えたくないようなことも自分に投影して考えられたり、響いたりするようになっているんだなと感じました」