2016年7月26日 20:00
「犯人わからないまま書いていた」“イヤミス”真梨幸子の最新作
『殺人鬼フジコの衝動』が累計50万部を超える大ヒットとなった、イヤミスの旗手・真梨幸子さん。新作を上梓しました。
「デビュー10周年だった去年の春から始まる連載だったので、それにふさわしい仕掛けのある小説にしたいなと思っていました。ひとつは、私の過去作品と関係のあるものを、オールスター出演させるような物語としての遊び。もうひとつは、原点回帰ではないのですが、デビュー作『孤虫症』の世界観に立ち戻ってみようと」
かくて生まれたノンストップエンターテインメント小説『私が失敗した理由は』。メインキャラクターのひとり落合美緒は、つまずきがいくつも重なり、順風満帆な人生から、スーパーのレジ打ちパートで家計を助けるしがない主婦へと零落。鬱屈を抱えていた。
ある日、美緒はパートの同僚イチハラとマイホームの話になり、唐突に<港区に、マイホームを買う>ことを夢見始める。
後日、イチハラが大量惨殺事件の容疑者となったことを知って、編集者をしている元カレに急接近。イチハラなど人生に失敗した人へのインタビューを本にまとめてベストセラーを狙う一発逆転を思いつく。
「'90年代のヒットドラマ『もう誰も愛さない』や『ずっとあなたが好きだった』が大好きでした。