2021年6月30日 20:00
「日本文化は人生の大きな一部を占めている」英国の新鋭監督が語る理由
2013年から製作も手掛けるようになり、本作が監督、脚本を務めた2作目となります。そこで、作品誕生のきっかけや現場での様子、そして日本への思いについて語って頂きました。
―まずは、本作のアイデアから教えていただけますか?
監督ストーリーの着想を得たのは、いまから5~6年前のこと。僕は絵に描いたような売れない俳優だったので、複数のバイトに明け暮れながら人生の選択を見直していたんです。そんなときバイト先の1つで、ある女性と同僚になりました。最初は社交的で楽しくてすてきな人だった彼女ですが、1年後には気難しくて怒りっぽい人になり、仕事ができなくなってクビになってしまったのです。
でも、その半年後、車いすに乗っている彼女を見かけ、若年性認知症を患っていたことを知りました。そんなふうに認知症によって人格が崩壊していくさまを目の当たりにした僕は、病気や周囲への影響について、もっと知りたいと思うように。
それくらい心を動かされた経験でしたし、以前から死に直面したときの選択肢や権利についても興味があったので、これらのテーマを融合させて本作のアイデアを育てていきました。
―この作品は、サムとタスカーのキャスティングがまずは大きなカギだったと思いますが、最初に決まっていたスタンリーさんが監督には秘密でコリンさんに脚本を送っていたそうですね。