2021年7月1日 22:10
どのコマもため息ものの美しさ! SNSで絶賛の漫画『急がなくてもよいことを』
が娘の〈ひーちゃん〉と散歩に出たときに見かけたお寺の掲示板の教訓からとった。切実さやのどかさ、ユーモアなどが交じったどこか随筆的な味わいが魅力で、SNSでも絶賛の嵐!
「実際にコマに使うのは、『こんなの撮っていたかな?』と思うような、僕自身が忘れているくらいあまり印象に残っていない構図の写真であることも多いんです。あまり自意識のない光景とでもいうのかな。その方が、僕が描く作品ともどこかつながっている感じがするんですよね」
トーンを使わず、細やかに線を描き入れて生み出されるひとコマひとコマがため息ものの美しさ。読み飛ばすなどもったいなくてできなくて、観察するようにじっくりと、いつまでも眺めていたくなる。
「1コマを描くのにすごく時間がかかるんです。作業中はそのことをずっと思い出しているので、作業時間は、“脳に思い出を焼き付ける時間”になっているのかもしれません。それに、絵を描くことがとにかく好きなんですね。
その作業そのものが、わりと自分にとっての癒しになっているなと思うんです」
次回作も本当に待ち遠しい。
『急がなくてもよいことを』商業デビュー作「夏休み」(『月刊コミックビーム』)