注目作家オススメの“官能小説”　官能を書く喜び、読む楽しみを語る

今年4月に発表した作品で、見事第165回直木賞にノミネートされた一穂ミチさん。昨年出版したデビュー作が、いきなりベストセラーリストに入った新川帆立さんと蝉谷めぐ実さん。注目の作家3人が、具体作を紹介しながら語る、官能を書く喜び、読む楽しみとは!?

3人が語る、小説世界における「性愛」の秘密。

新川：官能成分のない小説を書いている人間なので、どんな本をおすすめしたらいいんだろうと悩んだのですが、私はエログロ好きなので、筒井康隆さんや中島らもさんを交ぜました。筒井さんの「喪失の日」は、童貞喪失の日に主人公がてんやわんやする話。中島さんの「DECO-CHIN（デコチン）」は、チンの画期的な使い方を編み出した短編。どちらも、めちゃくちゃ面白いです。

一穂：私は選書がかぶってしまったらどうしようと思っていました。いま新川さんの基準を聞いていたら、杞憂でしたね。かぶる要素が全然ない（笑）。LiLyさんみたいな、ザ・官能な作家さんのも選んでらっしゃいますね。

新川：『SEX』は、きっと女子は大好き、男子はドン引きな本です！5編それぞれいろいろなタイプの男女が出ているので、自分の好みを探すのもいいかもしれません。