2021年7月16日 21:10
サステナブルが叫ばれる今こそ注目したい! 「包む-日本の伝統パッケージ」展
そんな岡氏の意思を反映した今回は木、竹、笹、藁など日本の風土に育まれた自然素材や陶器、和紙、絣かすりなど、日本人に馴染みある素材別にデザインを紹介。デザイン的な観点からいえば「生活の知恵として生み出されたシンプルな造形」を紹介した作品と、日本人の職人技というべき「職人のプライドと手技の美を持つ品」の2種に大別される。
プラスチック容器全盛の昨今、本物の自然が宿る日本の伝統パッケージは、心に潤いを与えてくれる。サステナブルが叫ばれる今こそ、再びこうしたパッケージに目を向ける時が来たのだと考えさせる内容だ。
《卵つと》山形県撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)
農民生活の長い歴史から生まれた、卵を安全に運ぶ入れ物「卵つと」。生活の知恵が洗練され、見事な造形となった。藁素材の特性をフル活用している。
《岡山獅子》岡山県/中尾正栄堂撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)
古い須恵器(陶質土器)の伝統を受け継ぐ由緒ある備前焼のお菓子パッケージ。岡山ではメジャーな商品で、中にはきびだんごが入っていた。現在はもう製造されていない。
《釣瓶鮓》奈良県/釣瓶鮓弥助撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)