2021年7月26日 22:10
矢部太郎、『ぼくのお父さん』で描く“優しいけど少し頼りない”父との思い出
プリミティブなものにとても敬意を持っているというか。土器が好きなのも、そんなところがあるのかな」
男の子だって泣いていい。大人だって間違うこともある。既存の価値観に安易に乗っからないでいいと、お父さんは背中で伝えていたのではないかと思う。
「僕も、親や先生や大人が、正解を知っているとか、正解を子どもに教える立場だということには疑問がありますね。そんなふうに考えてしまうところは、父に影響されているかもしれませんね」
矢部太郎『ぼくのお父さん』より
スケッチ×小さなメモ。『たろうノート』の一部。
お父さんが描き続けた矢部さんやお姉さんの成長記録は合わせて40冊くらいあるという。「僕を描いたのは3冊。姉のが圧倒的に多くて38冊。でも僕の話も出てきますから。会社に行かない父のことは、友だちの家と違うなとは思っていました。でも、絵を描いたり何か作ったりしていつも遊んでくれる父といるのは楽しかったです」
『ぼくのお父さん』一風変わったお父さんを囲んで、大変なこともあるけれど、いつも愛情に包まれていた少年時代の矢部さんと、家族のお話。こんな毎日、実はかなりうらやましいかも。全編オールカラー。