2021年8月3日 19:00
なぜ『有吉の壁』はヒットするのか? 制作陣が明かす“テレビの新しいカタチ”
「『パーパーなら歌ネタを』とか『ワタリ119なら体を張って』とか一切言わないです。芸人がやりたいネタにも、よほど問題がない限り、NOと言いません。ネタは全力で戦う芸人の自己表現の域。立ち入る気はまったくありません」
芸人の渾身のネタを、有吉さんが面白いかどうか「」か「×」で判定する。このシンプルな構造こそが老若男女問わず、受け入れられるカタチだった。
「考えるべきことが一つもない時間って、素晴らしいですよね。マツコ・デラックスさんも『人はそんなにテレビ見ながら考えたいのか』と仰ってましたが、緻密に構築されたウェルメイドなものより、シンプルなもののほうが今の時代の空気に合っている気がします」
MCの有吉さんとアシスタントの佐藤栞里さんのコンビネーションも番組の魅力。
「有吉さんは、そのネタが面白いのか、上手くいかなかったことを問い詰めたほうがいいのか、1日に40回、50回と瞬時に正しく判断していく。
これって本当にすごいことなんですけど、その中で、時には芸人に厳しいことを言う場面もあるわけで。その横で、栞里ちゃんが『あ~残念!』とか『頑張ってください』とか小声で言うんですよ。バッサリ斬られた芸人にとってあのひと言は、傷を癒してくれる塗る薬みたいなもの。