2021年8月3日 22:10
古今東西のおばさんから、“おばさん”を再構築!? 岡田育の最新エッセイ
おばさんという言葉が背負う悪印象を、解体し、再構築するカルチャーエッセイ。岡田育さんによる『我は、おばさん』をご紹介します。
「おばさん」は女性にとって悩ましい呼称だ。ニュートラルには、中年女性を意味する言葉でしかないはずなのに、そう呼びかけられるといい気持ちはしない。女性にとって、なることに怯える「おばさん」とは何なのか。おばさんを侮蔑語のままにしておいてよいのか。シスターフッドのために、どうしたらよりよきおばさんになれるのだろう。
そんな難題を噛み砕いて考察してくれたのが、岡田育さんの『我は、おばさん』である。
岡田さんがその単語を意識したのは29~30歳頃だそう。
「ちょうど“オトナ女子”という表現が出てきた2000年代の終わり頃で、『私たちはもしや、このままずっと女子でいられるんじゃないの』という錯覚も抱いたのですが、個人的には妹に子どもが生まれたタイミングでもありました、私は自動的に、アラサーで、伯母さん(笑)。いったいどっちなの、という気持ちに決着がつかないまま40、50に突入するのかとモヤモヤしました」
おばさんという言葉の印象を女性自身がどこか内在化していることも問題ではないかと思った岡田さん。