2021年8月3日 22:10
古今東西のおばさんから、“おばさん”を再構築!? 岡田育の最新エッセイ
「ならば、マイナスからプラスへ視座を変えられないかなと思って。私自身、10代のときから母親とは異なる価値観を見せてくれる大人の女性に憧れていましたし、すでに多くの小説や映画などには、見習いたい魅力的なおばさんがいたんです」
『若草物語』のマーチ伯母、『更級日記』の菅原孝標女、ヤマシタトモコ著『違国日記』の高代槙生、黒柳徹子や後藤久美子など。輝いているおばさんや、ときに反面教師にしたいおばさんも拾い上げながら、古典やエンタメをひもとく。
「これからの女性たちは、自分の母や祖母とも違う生き方をするのだと思います。職場や周囲に真似したいような人がいない、あるいは生き方がすごすぎてお手本にならない、と思わないでください。ファッションを真似するのと同じ感覚で、なんとなくステキだなと思った人を参考に、少しずつ自分の独自性を見つけていけばいいのではないかなと」
岡田さんは語る。女性たち自身が選び取れば〈あなたが待ち望んだ、私がなりたかった、「おばさん」になることができる〉のだと。本書には、そのヒントが詰まっている。
岡田 育『我は、おばさん』引用した多数の作品は巻末にリスト化。著者と同世代なら懐かしさに胸躍るはず。