2021年8月13日 19:10
ドレスのビーズ一つで命取りに!? 『オペラ座の怪人』衣裳スタッフのプロの技
着替えの段取りを覚えてもらうよう、開幕前に早替え稽古というのもしています」
当然、傷めば新調することも。
「新調する時は、デザインを変えず今までより高いクオリティのものを目指しています。俳優が芝居により集中できるよう、スカートに入っている針金をカーボンに替え軽量化したり、裏地を通気性のあるメッシュ素材にしたり。ただ、重量感が出ないと見た目が安っぽくなることもあるので、そのバランス感が重要なんですが」
本作の衣裳チーフに就いてから、あらためて19世紀のヨーロッパの服飾史を学んだという村上さん。
「調べると、いかに史実に忠実なデザインかわかります。とくにカルロッタ(オペラ座のプリマドンナ)には当時の最新ファッションが取り入れられている。そこに彼女のプライドの高さやおしゃれに敏感な性格が表れているんです」
今の仕事に就いたのは、幼い頃の観劇体験が根底にある。
「過去の自分のように、私も新たな一歩を踏み出す誰かの手助けになれていたらいいなと思います」
ロングラン公演に対応できるよう、劇団四季ならではの工夫も。
ロングラン公演を行っているため、劇団四季では一つの役を複数の俳優が演じている。