2021年9月2日 19:00
「日本の折り紙から着想を得た」ギリシャの新鋭女性監督が語る制作秘話
監督確かにギリシャでは、「男性がウェディングドレスを作るなんて…」といった偏見がいまだに残っていますし、スーツに関していえば、テーラーと呼ばれる男性のみが作ることができ、女性はテーラーにはなれません。女性の場合はドレスを作るお針子と呼ばれており、そこにはある種の偏見があるのも事実。そういった背景があったので、お針子になってしまった息子に対して軽蔑の感情を抱く、ニコスの父親の姿を描きました。
独創的なドレスの数々を楽しんでほしい
―ただ、ニコスにとってはウェディングドレスを作ることで、抑圧されていたものから解放されるようなところがありますよね?
監督まさにそうですね。いままでカチッとしたスーツしか作ったことのない彼にとって、それまで心のなかでやりたいと思っていてもできなかったことを試すことができましたし、自分自身のクリエイティビティを自由に表現することができた初めての瞬間だったと思います。彼のようなタイプの人間が女性のウェディングドレスを作ることによって、抑えていたものを外に出す様子を見せたいと思いました。
―そんなニコスが生み出すウェディングドレスは、どれも個性的で美しいドレスばかりでした。