2021年9月2日 19:00
「日本の折り紙から着想を得た」ギリシャの新鋭女性監督が語る制作秘話
そんなふうに恵まれた立場にいるので、私自身は性差別をあまり経験することはありませんでした。
―では、仕事をするうえで、心がけていることはありますか?
監督私の家族では、女性がみんなパワフルで、いいロールモデルとなってくれていることも大きな影響だと思いますが、私は自分に弱みがあると感じたことはありません。それに、女性だからといって何かを特別にしているわけでもありません。ただ大事にしているのは、絶対に諦めないこと。それだけです。
―力強いメッセージをありがとうございます。それでは最後に、日本での公開を控えて、いまのお気持ちをお聞かせください。
監督私は日本の映画をずっと観てきたので、日本で自分の作品が公開されることは、本当にうれしいことです。
ロンドンで映画の大学に通っていたとき、1学期すべて日本の映画を学ぶ機会がありました。そのときに、何回も観たのが小津安二郎監督の『東京物語』。まったく違うストーリーではありますが、本作を準備しているときにも観返したほど、世界で一番好きな作品です。
そういったこともあり、日本の観客のみなさんがこの作品を観たときに、どういうところに注目をして、どこにおもしろさを感じていただけるのかに、非常に興味があります。