2021年9月3日 19:30
世界的な父の影で抱えた苦悩…波乱の人生を送った女性活動家の真実と矛盾
本作でも見事な手腕を発揮し、高く評価されています。そこで、映画を通して現代の女性たちに伝えたいことや日本に対する思いなどについて、語っていただきました。
―エリノアの存在は、マルクス家の資料を読んでいる際に偶然知ったそうですが、最初はどのような印象を受けましたか?
監督エリノアは19世紀当時の一般的な女性たちとは違い、非常に現代的な女性だと感じました。なぜなら、彼女はパートナーと結婚することなく、子どもを持たない選択をし、キャリアを追求。さらに男性から養ってもらうのではなく、むしろ自分が経済的に男性を支える側になっていたのです。いろんな意味で、本当に独立した女性だったと思います。
―とはいえ、これだけ波乱で複雑な人生を送った方なので、どういう形で映画にするかは苦労されたのではないでしょうか。
監督確かに、私にとっては大きなチャレンジだったと思います。
彼女の人生のなかでも、いまの私たちに強く訴えかけるものがあると感じたのは、パートナーであったエドワードとの関係性。そういった部分を中心にしながら、この映画では「エリノアは私たちと近い女性である」ということを伝えたいと考えました。
だからこそ、そのなかで重要だったのは、エリノアを十分に理解し、私のことをそばで助けてくれるようなキャストを選ぶこと。