くらし情報『子持ちで年齢をごまかし…鷲尾真知子を俳優の道に導いてくれた“母の存在”』

2021年9月11日 18:40

子持ちで年齢をごまかし…鷲尾真知子を俳優の道に導いてくれた“母の存在”

人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、舞台やテレビで活躍する俳優の鷲尾真知子さん。第1回は「男に従属せず、自立した女性になることを願った母」。
子持ちで年齢をごまかし…鷲尾真知子を俳優の道に導いてくれた“母の存在”


男に従属せず、自立した女性になることを願った母。
私が生まれたのは終戦の4年後、昭和24年です。ひょんなことから高校3年生で劇団の研究生になり、卒業後劇団員になって俳優の道を歩き始めたのですが、その後ろには母の存在がありました。大正14年生まれの母は私を産んだ後、年齢をごまかして俳優座の養成所に入り、役者を目指していたんです。当時にしては、相当進歩的ですよね。
でも結局育児を優先せざるを得なくなり、その道は諦めることになったんですが、たぶんその母の演劇への思いが、私を役者へと導いたのではないか…と思っています。

当時は、女性は男性を引き立て、家庭に入って姑に仕えて子育てをするのが当たり前だった時代。でも母はそのときから、“男と女は対等であるべき”と思っていたのでしょう。だから私を、“仕事を持ち、自立を”と教育しました。私が成人したとき、男に従属するような女性になってほしくない、という願いがあったのではないかな、と思います。

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