2021年9月19日 22:10
ムロツヨシ「辛い顔をしても辛さは減らない」 理不尽に耐える父親を熱演
妻が他界してから男手ひとつで育ててきた娘が、じつは自分の実の娘ではなかったことが発覚したとしたら。しかもその娘が白血病に侵され、血縁者を探すことが娘を助けるための一番の近道だとしたら。映画『マイ・ダディ』で、そんな辛い運命を背負うことになった父親・一男を演じたのがムロツヨシさん。
名バイプレイヤーの初主演映画は、親子愛を描く感動作。
「これまで僕は、どの作品でも『役作りはしてません』と言ってきましたが、とはいえ多少はしてきてたんですね(笑)。でも今回は、演じるということに関して、いままでの経験や記憶、過去のデータといったものに一切頼らずに臨ませていただきました。僕は父親になったことがないですが、この親子愛が軸にある作品で“父親のフリ”はいらなくて、物語世界の中に、僕という人間から生まれてくるもので父親として生きていなければと思ったんです」
それはムロさんにとって新しい取り組みで、それだけ強い想いで臨んだ役だったということ。しかも今作においては、作品自体にも俳優として以上の関わり方をしているそうだ。
「プロデューサーや監督が、折に触れて僕に聞いてくださったこともあり、台本作りの段階で結構意見を言わせていただきました。