2021年10月8日 21:00
折坂悠太「音楽のこと、よくわかっていないんですよ(笑)」
後に自分がボーカルのバンドも始めました。ドラマーの時は裏方みたいな気持ちでいたけど、自分で歌う曲は、自分のやりたいことをより出せる場に。今の自分につながる表現が始まっていったんだと思います。
――当時、自分の曲を人が聴くというのは、どんな感覚でしたか。
折坂:嬉しかったですね。人と打ち解けられず、仲良くなるのに時間がかかるのは、自分というものを上手く伝えられないからなのかなと思っていて。それが、曲を聴いてもらうと、わりと一発で、“こういうテンションで生きてます”ということをわかってもらえる。人と関わる手段として、こういう形があるんだと気づいてからは、自分の表現に応えてもらうことが嬉しかったし、この道で行こう、と。
でも、今も、「こういう音楽をやっていて、CDを出して」というお話はできるけど、そういう前提がないと何もしゃべれないんですよね(笑)。世間話や雑談は、本当に難しいです。
歌に関しては自分の中から出たものを歌いたい。
――曲はどのようにして生まれるのでしょうか。
折坂:10代、20代の時は、ときめくことがあると、その反動でできるのかスルスルと作れていました。それが、年を追うごとに、ときめくことをなかなか見つけられなくなって、自分で取りに行く必要があると思ったんです。