2021年10月9日 19:30
金メダリスト・阿部詩が明かす「常に追い詰められてきた」心の強さと美しさ
自分と向き合い、身一つで勝負する選手たちの力いっぱいのプレーを見て、心を動かされた人は多かったのでは。ここでは東京2020大会で夏季五輪史上初の兄妹同日金メダル獲得、さらに日本人初の女子52㎏級の優勝という快挙を遂げた阿部詩選手が登場! 笑顔いっぱいの彼女が放つ魅力に迫ります。
世界の頂に立った21歳は、重圧をどう捉えて戦ったのか。心の内を探ります。
「“柔道は痛いよ”って。最初は父に止められました。でも、兄たちが楽しそうにしている姿を見て、5歳の私は絶対にやりたかったんです。父はピアノを勧めたけれど私には全然合わなくて。
やっぱり夢中になったのが柔道でしたね。それに意外と痛くないんですよ。ぜひ、やってみてください(笑)」
そう言いながら見せた茶目っ気たっぷりの笑顔にこちらも頬が緩む。兄が2人いる三兄妹。自身を、「負けず嫌いで末っ子らしいわがままな部分も多い。また、兄たちが怒られていたことは、するべきではないと自分なりに学んだので、要領はいいほうかも」と分析する。柔道界はおろか日本中の期待を背負い、見事獲得した念願の金メダル。しかも、それには「日本柔道史上初」という後世に残る偉大な冠が2つもつく。