2021年10月9日 19:30
金メダリスト・阿部詩が明かす「常に追い詰められてきた」心の強さと美しさ
「オリンピックは他の大会よりも特別な雰囲気で、責任をより感じましたが、よく言われる魔物は棲んでいなかったです。私、基本的に試合では、みなさんが思うほどのプレッシャーを感じないんです。やるべきこと、覚悟は決まっているので、〝自分が一番強い〞と思うようにして挑んでいます」揺るがない決意。経験や自信がそれを作っているのだろうと漠然と思いながらも、なぜそこまで強くいられるのだろうか。その答えは、続く言葉で明確になった。
「重圧は日々の練習で感じていますから。自分は追われる立場であり、負けられない。常に追い詰められながら、これまで鍛錬してきたんです。
不安はひとつずつ練習で取り除いていくしかありません。そうやって淡々と準備をして、最高のコンディションで試合に臨むわけです。だから、試合の日は試合のことだけを考えればいい。練習よりしんどくないんですよ」
では、そんな思いをしてまで柔道を続ける理由とは…?
「まずは勝つ喜びを味わいたいから。気持ちが弱くなった時もありましたが、その最高の感情を知ってからは、苦しみに耐えないといけないと思うようになったんです。また、自分はまだまだ足りないので、もっと強くなりたいという気持ちがあるのもひとつ。