2021年10月16日 18:10
『007』を初めて観るなら「最新作から」がイイ? 宇多丸がすすめる理由
時代に合わせて作品はアップデートしているけど、基本の流れは変わらない。あとは、3作目あたりから確立された、10分くらいのアバンタイトルも見逃せない。その後、おなじみのテーマ曲とシルエットが流れるんだけど、演出が凝っていて作品の見せ場の8割くらいは占めちゃってる(笑)。そんなお約束を、今回はどうくるの?あぁそうきたか!と楽しむ。もはや歌舞伎の型に近いんだけど、シリーズに様式美は必須です」
そして、『007』といえばジェームズ・ボンド。プレイボーイの凄腕スパイで、少しダークヒーロー的な一面もあるキャラクターは、またあいつに会いたいと思わせる強さが。それをどう演じるのか?主演俳優が入れ替わることも含め、大きな見どころだとか。
「初代のショーン・コネリーは野性的なかっこよさがあったし、僕がこのシリーズを観始めた‘70年代後半から‘80年代はロジャー・ムーア期で、とにかく軽くてふざけていて、ほぼコメディ(笑)。
5代目のピアース・ブロスナンは、チャラさとシリアスさの塩梅が絶妙だったり。今回のボンドはハマってるとかイマイチとか、ああだこうだ言うのが楽しいんだよね(笑)」
さらに、これまでにさまざまな監督が手がけ、良くも悪くも作品ごとにテイストが違い、シリーズの変遷があるのも醍醐味だとも。