2021年10月21日 19:30
「はみ出した部分も面白い」山田杏奈を主演に選んだ映画監督が明かす、彼女に惚れた理由
どのようなことを書かれたのか教えてください。
監督4、5年ほど前のことなので記憶が定かではないですが、根拠もなく、「とにかくこの作品が大好きです。これを映画にできるのは私しかいません」といったことを伝えたと思います。
―それほどストレートな思いをぶつけた綿矢さんに、完成した作品を観てもらうのはかなり緊張されたのではないかなと。
監督そうですね。ただ、最初の試写で初めてお会いしたとき、「おもしろかった」と言っていただけたのですごくホッとしたのを覚えています。賛否ある映画だとは思いますが、綿矢さんにだけは気に入っていただきたかったので。
事前に脚本を読んでいただいた段階で、「これは心と身体の話になっていますね」と言っていただいたのですが、そこは私が映画にするうえですごく意識していた部分で。
それだけに、理解してくださっているんだとわかったときはうれしかったです。
―「自分にしか映画にできない」と話す監督が、自分だから描けたと思うシーンを挙げるとすれば?
監督こんなことを自分で言うのは非常に恐縮ですが、愛と美雪が初めて関係を持つシーンはよかったんじゃないかなと。なぜか襲ってしまう人と、なぜかそれを受け入れてしまう人という不思議な関係を映し出せたと思います。