2021年10月21日 20:10
京本大我、主演ミュージカル『ニュージーズ』観劇ルポ。新たなプリンシパルの誕生を確信させた珠玉のミュージカル。
そして何より目を見張ったのが歌だ。今作の作曲を手がけたのは、『アラジン』をはじめ『美女と野獣』や『リトル・マーメイド』などで知られるアラン・メンケンによるもの。もともと澄んだ歌声の持ち主ではあるが、メンケンの美しい旋律を確かなピッチで力強く歌い上げる。新聞社の一方的なやり方に怒りの声を上げる「The World Will Know」、仲間たちを集めストライキを蜂起する「Seize the Day」。自身の不甲斐なさに咆哮するような「Santa Fe」。
セリフがきちんと届いてくる澄んだ明快な声と、感情がストレートに伝わる歌の表現力。かつて、「ミュージカルで活躍されている同世代の方々と比べて、出演作品の数が少ないし、舞台自体も年に1本やれているかどうか。それで、ミュージカルをやっていますって言うのもおこがましくて…」(anan2197号)と話していたが、何をか言わんや。
紛れもなく、グランドミュージカルを背負って立つプリンシパルのひとりであることを証明してみせた。
それだけではなく、ニュージーズたちが集結し踊る場面では、躍動感のあるエネルギッシュなダンスも披露し、役柄の人間としての強さや、主演たる存在感の大きさを感じさせた。